こんにちは。
デザインマーケティングチームの城地です。
この前、家でパプリカを切ったら、断面が絶叫系でした。

叫び声が聞こえてきそうです。
さて、
自分は30代もがっつり後半なのですが、
今一番夢中になっているのが、「絵本」です!
(人生何があるか分かんないですね。)
きっかけは子どもが生まれたから、なのですが、
我が子に負けないくらい、自分も絵本が好きになりました。
気づけば家に100冊以上の絵本があります。
その中で好きな絵本作家を挙げるとすれば、
長新太さんです。
長新太さんは日本を代表する絵本作家のひとりで、
1950年代から2005年に亡くなるまで、たくさんの作品を残しています。
もしかしたら、
みなさんも子どもの頃に、知らずと長さんの絵本を読んでいるかもしれません。
自分は、長さんの描く絵本や、作り手としての長さん自身にとても惹かれていて、
絵本だけでなくインタビューや対談本など読み漁っています。
没後20周年の展覧会にも行きました。
ええ、大好きです。
で、突然ですが、
みなさんはジブリだったらどの作品、どのシーンが好きですか?
ジブリ好きなら白熱するこの話題ですが、
自分は(作品として一番好きなのは他にあるのですが、)
「崖の上のポニョ」にとても好きなシーンがあります。
主役のひとりである、男の子の宗介が海岸に行くシーン。
そこでは延々と寄せては返す「波」が映るのですが、
波に目玉が付いていて、まるで生き物のようなんです。
自分がこの映画を見たのは、ある程度大人に近づいた10代後半だったのですが、
一見すると奇妙な、この波の描き方を見たときに、
「ああ、確かに子どもの頃、自分にも波がこう見えていたかもしれない」と、
不思議と納得してしまいました。
そして、
「こんな子どもの目線をおじいさんの年齢になっても描ける宮崎駿って、とんでもない人だな」
と思ったのを覚えています。
子どものような純粋な心を失わない、「作り手」としての宮崎さんに、
ものづくりを勉強するデザイン学生だった自分はとても感銘を受けました。
それから15年くらい経った今、
一応デザイナーとして、「作り手」の端くれにいる自分にとって、
この感覚が今でもずっと大事だったようです。
長新太さんの絵本を読むと
宮崎さんに近い感銘を受けます。
長新太さんの絵本に「だっこ だっこ ねえ だっこ」という作品があります。
この絵本の中では、
子どもがお母さんに抱っこをおねだりするのですが、
登場するのは人間の親子だけではなく、犬やタコの親子、
さらにはパンや靴の親子まで、
あらゆる存在が「ねえ だっこ」とおねだりします。
それって大人の脳で考えれば不思議な世界観なんですが、
「崖の上のポニョ」の目玉のある波のように、
「子どもにとってはあらゆるものが生きているように見えている」と考えると、
子どもが見る素直な光景を表現しているようにも思えます。
「だっこ だっこ ねえ だっこ」のような、
無生物にも命が宿っているような描き方というのは、
長新太さんの作品には何度も出てくるのですが、
長さん自身が「万物は生きている」という考え方(アミニズムと呼ばれています)を大事にされていたそうです。
絵本のレビューや、出版社の人が話すインタビューなどを読むと、
長新太さんの絵本はとにかく子どもに評判がいい、よく笑う、という話をたくさん見かけます。
それは長さんの絵本の世界観が子どもの感性に近いからなんだと思います。
冒頭のパプリカの写真が、
大きな口で叫んでいるような形に見えたのも、
自分の中にも「子どもの感性」がかろうじて残っているかもしれなくて、
だから無性に長新太さんの感性に惹かれるんだと思います。